拝啓、未来へ
5枚目
平日の今日。
普段なら大学で講義を受けるはずだが、学校行事の振替で休講だった。
それを知った恭ちゃんに昨夜、「泊まりにおいで」とニコニコしながら誘われた。
そして泊まった翌日の今日。
わたしが朝起きたら恭ちゃんはすでにいなかった。
社会人にとっては普通の平日で、変わりなく仕事をしなければいけないからだ。
「いってらっしゃい、って言いたかったな…」
起こしてくれてもよかったのに。
寝させてくれた心遣いに喜ぶ反面、出勤時間に合わせて起きられなかった自分に嫌気が差した。
独りだと、恭ちゃんの家がやけに広く感じる。
1LDKだし2人でいるときはそんなこと思わないのにな。