拝啓、未来へ
「……そんな顔すんなって」
不意に落ちてきた声と、困ったとも悲しいとも言えない顔をした恭ちゃんがいた。
「はるがおる家に今すぐ帰りたくなるやん。」
その言葉にきゅんと跳ねる胸の奥。
恭ちゃんの表情や言葉にいちいち落ち込んだり喜んだり。
わたしはなんてゲンキンな奴なんだろう。
心忙しいけど、その感覚が彼を堪らなく好きだと教えてくれる。
「恭ちゃん。あの、これ」
恭ちゃんの言葉にすっかり気分の良くなったわたしは、目的である大事な書類を突き付ける。
「おお、ありがとお」
「もう忘れちゃダメだよ?」
「……はい。(うわ、可愛すぎる!)」
「次忘れたら届けてあげないからね?」
「……気をつけます。(~~~ッッ!今すぐ抱きしめたい!)」
聞いてる?とちょっとだけ怒り口調のわたしなのに、なんだか生返事を寄越す恭ちゃんが少し心配だけど。