拝啓、未来へ
7枚目
何を言われるかと思った。
聞きたくない言葉を聞かされるのかと思った。
『はる』
「、うん?」
電話越し。
恭ちゃんの低くてあまい、わたしの大好きな声が耳朶を揺らす。
『好き、やで。』
それは、不安定にぐらぐらと揺れていた心に響く絶妙なタイミングだった。
「わたしも、好き。すごく。」
恭ちゃんを少しでも疑った自分を恥じる。
結局わたしは、この人を、嫌いになんてなれないのだ。
きっと恭ちゃんは全部わかってて、少しでも不安な気持ちを消してあげよう、って。
だからこうして気持ちを伝えてくれたんだと思う。
今日だってきっと絶対「早く帰ってきてほしい」っていうワガママを受け入れてくれて、忙しいのに早く帰って来てくれるんだろう。