拝啓、未来へ
「恭ちゃん、」
ディスプレイに表示された、”通話終了”の機械文字をぼうっと眺めながら思いを馳せる。
あなたは優しすぎるから。
わたし、あなたの重荷になっていないかなあ?
「きょお、ちゃん」
本当は面倒な女だって思ってない?
子どもっぽくてワガママで嫌だなって思ってない?
マイナスな思考が頭をぐるぐる駆け巡る。
渦巻く鬱々とした気持ちを振り払うように、ブンブンと頭を振った。
「お出かけ、しよう」
そうだ。
せっかくだから外に出て、少し気分転換をしよう。
どこかで適当に時間を潰して、そのあと夕飯の材料を買いに行くのもよさそうだ。
今夜は恭ちゃんの好きなハンバーグにしようか。
早めに準備して仕込んでおくのも悪くない。
合間に掃除もして、恭ちゃんに「おかえりなさい」って言うの。
喜んでくれるかな。
「ありがとお」って笑ってくれるかな。
とりあえず、材料を買うまでの少しの時間をどこかで――