拝啓、未来へ
そのまま時間は刻々と過ぎていって、気が付いたら閉店間際だった。
その頃にはもうお客さんもいなくて、新田くんとカウンターに座ってマスターが淹れたコーヒーを飲んでいた。
「いやー、今日は2人ともごめんね」
「ううん。俺ははるちゃんがいたから楽しかった」
「はは。新田くんははるちゃんが大好きだなあ」
「ちょ、新田くん!マスター!」
あはは、なんて声が店内に響く。
コーヒーの匂いも加わってすごく和やかな雰囲気だった。
「じゃあそれ飲んだら2人とも帰っていいからね。お疲れ様」
僕はちょっと片付けてくるから、と奥に入って行ったマスターを見届けた。
その後少し新田くんとくだらない雑談をしながらコーヒーを飲んだ。いつまでもここにいれそうな気がした。
「そろそろ帰る?」
コーヒーも飲み終わった頃に新田くんが発したその一言で、わたしたちは帰ることになった。