裏通りランコントル
うんぬんかんぬん永遠に喋り続けるんではなかろうかというオリの言葉を適当に聞き流すことにしたのか、もうどうでもよさそうにココアを手に取り飲み始めた。
(……確かに、これは長く続きそう。)
そんな二人の姿を見て、わたしもこぼさないようにココアを手に取る。
あたたかい。じんわりと手が熱を取り戻してゆく。
いい香り。何かが満たされるような感覚。
ふうふうと息を吹きかけ少しだけ冷まし、一口飲む。
あまくて、美味しい。
軽く目を閉じ、その味を舌で転がし堪能した。
落ち着いたところで、ふと先程のことが頭をよぎる。
「――――――……、」
薄い唇が開いた、あの瞬間。
彼は何と言いかけたんだろう。
何が言いたくて、何を伝えたかったのか。
その答えが、いつかわかる日が来るのだろうか。