彼女は学校に行










公園にある空洞の遊具の中に隠れて、誰にもばれないように小さな声で話すそれに似ていて、私は、安らぎとともに退屈である自分の部屋にいながら、ばくばく、と心臓が音に食われそうになる。









「殺人が正当化されたら、いつ殺されるかわかんないし」

「でもときどき出会うじゃん。誰彼構わず目に付いた人間を攻撃していくような、なんでこんなやつが世の中ふつうに生きてんだろうなあっていう、いわば殺したくなる奴ってさ。稀でもたまにでもなく、ふつうにいるんだよ、うじゃうじゃ」

「・・・・・・」








あぐらをかいた橋倉が私から視線を逸らす。






私は、全くもって橋倉の真意が読めずに彼をじっと見つめることしかできない。








「心臓とか脳みそを刺さなければ何したっていいって思ってるやつ、世の中には溢れるほどいる。」







橋倉の言葉に、脳裏に浮かぶ教室の風景。





それと同時に、胸の奥にぽっかりと真っ暗な穴が空く。すーすー、やけに風通りの良いその穴はとても寒くて、侘しくて、こわい。








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