彼女は学校に行
「平田って実は真面目?」
橋倉の黒目が私を捉えた。
緩んだ口元は、私を馬鹿にしている。私は大きく溜息をつきながらその言葉に乗っかる。
「実はどころか身体の9割マジメでできてる」
「その割に俺より勉強できないじゃん」
「真面目は学力だけじゃはかれないの」
「素晴らしい言い訳だな」
「素晴らしい反論なんですけど」
橋倉が、笑った。
頭を持ち上げて、私を正面から力強い瞳で射抜く。
「だったら、自分のことを『ひきこもり』なんてくそつまんねえレッテル貼ってんなよ」
その五文字から逃げるように視線を逸らす。