サイドキック
視聴予約?ワザとに決まっているじゃないか。
今この時間のこの瞬間に私が此処に居ることを見越した上で、こんなことをしたのだろう。
―――お前はこの家から逃げられない。
言葉として言われなくても、痛いほど伝わるから。
分かっている。私はもう充分逃げた。
"何が何でもkomiyamaには負けんわ"
画面の向こうで不敵な笑みを浮かべる男を見る度、抗いようも無い自分の運命を呪った。
私が戻って来たのは、お母さんを守るため。
自らの利益の為なら娘さえ取り引きの対象にする、この男のためなんかじゃない。