サイドキック
――――眼光鋭く俺に視線を落とすユウキを見て思い出したのは、総長になって直ぐのコイツの姿だった。
ロボットか、差し詰めマシーンだと。
努めてなのか自然になのか――表情を隠すことに長けたコイツの本音は全くと言っていいほど窺い知れない。
そんなユウキを見て、俺は。
一度だけ溜りに溜まった息を吐き出すと、一気に眉根を寄せて深く瞳を閉じる。
「(嗚呼、)」
悲しくも苦しくもある。
ずっと他の要因で無表情を保ってきたアイツに昔のような表情をさせているのが、今は。
――――――……間違いなく俺だから。
「ユウキ」
「………なんだ」
「―――……、」
ゆらりと立ち上がった俺の視線は段々と持ち上がっていき、終いにはユウキをいつものように見下ろす位置に落ち着いた。
次第に強張っていく彼女の表情が、俺を拒絶している気がしてならない。
どうしてこうも、上手くいかないんだ。
―――どうして、
「悪い」
「……っ、!」
「その問いには、答えられない」
こんなにも、胸が痛みを訴えてくる。
抗いようもない本音。好きだと言えたら、その柔な肌に触れられたらと願った。
………――らしくもなく泣きそうに、なった