サイドキック
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やはりあの場所はオフィスの一室だったようだ。廊下に出た私の視界には、会社のビルを彷彿とさせる光景が映し出されていて。
今し方出てきた場所のプレートを確認すると、「会議室2」と記されていることが窺えた。
室内では点在していたPCのお陰で若干の明るさは得ることができたものの、ひとたび廊下に足を伸ばしてしまうと容赦なく暗闇に呑みこまれる。
さっき居た会議室だって相当の不気味さだったけれど、廊下はもっと薄気味悪い。
さながらホラー映画の主人公のようだ。
「(……最悪……)」
壁をたどるようにして徐々に足を進めていく。
階段とかあったら、どうしようか。このまま行くと転がり落ちること必至だ。
デコボコした部分やコルクの箇所など、様々な装飾に指先を添えながらも会議室から遠ざかっていく。
段々と遠のく人工的な照明が、その距離を物語っていて。
ビリビリと痺れを訴える脚をなんとか動かしながらも、必死で歩を進めた。
ただ、この場所から逃げたい一心で。
―――と、そのとき
「………、!?」
パッといきなり眩い光が眼球に襲いかかる。どうしても明順応まで時間が掛かってしまう。
一部分だけの光ではないところを見ると、どうやらこのビルの内部全体に照明が点いたらしく。