結城くんにやきもちを妬かせるには
バレンタインデー
「…むむむ」
「ふっ…希望いつにも増して不機嫌じゃない」
いつにも増して少し賑やかなお昼休みを迎えるが、私は机に顔を突っ伏し落ち込んでいる。
それもそのはず…
愛菜ちゃんの1件で結城くんの予想通り、次の日には全校生徒に結城くんの素顔が知れ渡っていた。
結城くんもさすがにもう隠すつもりはなく、変装なんてしていない。
そんなのは全然いいんだよ!!
もちろん結城くんの秘密は出来れば私だけが知ってたかったけど、それだけなら百歩譲って全然いい!
ただ、私が怒っているのはそんなことじゃない。
「なんで結城くん、めちゃくちゃモテてるのさ…」
本日何度目かも分からないこの言葉を言い、机をポカポカと殴る。