結城くんにやきもちを妬かせるには
そう言うとギュッとさらに強く抱きしめられるけど、嬉しくてニヤニヤが止まらない。
そんな私に気づいたのか、一旦離れ私の顔を覗き込むと心底気に入らなそうな顔を見せた。
「橘のくせにむかつく。もう知らない」
「え…?」
それだけ言うと立ち上がって本当に行ってしまいそうな結城くんの袖を、慌てて握る。
「ご、ごめんね。私ばっかり結城くんのこと好きなのかなって思ってたから嬉しくて…」
「なにそれ。そんなわけないでしょ。キミこそ好きなら早くチョコちょうだいよ。それ、俺のでしょ?」
私と視線が合うようにもう一度しゃがみこんだ結城くんが私のスカートの当たりを指さして言う。
指さしている方向に視線を移すと、お世話にも欲しいとは言えないようなボコボコの箱が目に入った。
「え?!こ、こんなのあげられないよ!」