結城くんにやきもちを妬かせるには
「嘘だよ…。だって今日1日たくさん呼び出されてたじゃん」
結城くんは1日を思い出しているような表情を見せ、2個目のチョコを口に入れた。
「あぁ、うん。でも、キミが嫌がると思ったから貰ってないよ。1個も」
1個もって…義理チョコもって事だよね?
うそぉ……。
多分みんな、可愛いチョコを渡したに違いない。
そんなたくさんのチョコの中から、私のだけを食べてくれるなんて…
…言うなら今しかない。
「結城くん!!」
「うん?」
スカートを握る両手に力が入る。
「お誕生日おめでとう!う、生まれてくれてありがとう!大好きだよ」
「クスッ…生まれてくれてって…」
私の緊張しすぎて変になってしまった日本語に、クスクスと肩を揺らして笑っている。
その動作にすら好きという感情が溢れてくる。
そんな結城くんをじっと見ていると、ふと視線をあげた。