結城くんにやきもちを妬かせるには


「嘘だよ…。だって今日1日たくさん呼び出されてたじゃん」



結城くんは1日を思い出しているような表情を見せ、2個目のチョコを口に入れた。



「あぁ、うん。でも、キミが嫌がると思ったから貰ってないよ。1個も」



1個もって…義理チョコもって事だよね?



うそぉ……。



多分みんな、可愛いチョコを渡したに違いない。



そんなたくさんのチョコの中から、私のだけを食べてくれるなんて…



…言うなら今しかない。



「結城くん!!」



「うん?」



スカートを握る両手に力が入る。



「お誕生日おめでとう!う、生まれてくれてありがとう!大好きだよ」



「クスッ…生まれてくれてって…」



私の緊張しすぎて変になってしまった日本語に、クスクスと肩を揺らして笑っている。



その動作にすら好きという感情が溢れてくる。



そんな結城くんをじっと見ていると、ふと視線をあげた。






< 15 / 18 >

この作品をシェア

pagetop