結城くんにやきもちを妬かせるには


こうなったら正直に言うしかないよね…。



「…ゆ、結城くんっ!」



結城くんの席の前に立ち震えそうな声を振り絞った。



そんな私に気づいたのか、ゆっくりと視線をあげ目が合う。



心なしか怒っているようにも思えるその瞳に、目を逸らしてしまう。



「あ、あのね…。ご、ごめんなさい!私、今日結城くんの誕生日だって知らなくて…それで…それで…」



「…え?あぁ、誕生日。いいよ別に。それより、そろそろ授業始まるから戻った方がいいんじゃない?」



冷めた言い方…



その冷たさをさらに感じさせるような雰囲気…



か、確実に怒ってる…。



「あ、あの…本当にごめんなさい。今度…「ほら、チャイムなったよ」



「あ、うん…」



これ以上なにか言っても結城くんに嫌な思いをさせてしまいそうで大人しく席に戻る。



どうしよう…。



私、完全に結城くんに嫌われた…。






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