結城くんにやきもちを妬かせるには


「……ん!…のん!おい、のんってば!」



「はひ?」



奈々ちゃんに体を思いっきり揺らされ我に返る。



「なに間抜けな声だしてるのよ。もう放課後よ」



「え?うそ?!」



だって、さっきまで数学の授業やってなかった?



疑う訳では無いけど、あたりを見回してみるとみんな帰りの準備をしていた。



「はぁ…、正直、結城が誕生日ごときでなんでそんなに怒ってるか私には分からないけど、とりあえず話し合ってみる事ね。私が口出すようなことじゃないし。じゃ、また明日」



「ちょ、まっ…」



確かに、私が頑張らなきゃいけないことだけど…



どうすればいいの…。



チョコもまだ渡せてないし。



『お誕生日おめでとう』ってまだちゃんと言えてない。



結城くんは…



ふぅ、良かった…。鞄がまだある。



多分図書室だよね?



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