ラブエンゲージ。(超短編)
夕星いちごは小説よりも経営のほうが好きだ。
それは自営業である両親の影響。

日々の支出を家計簿アプリにまとめていた。

いちごは計数関係の処理が速い。

それは数えたことを記録したり、その瞬間のもつ価値を数量化することだった。

「そう・・・今・・・」
「今?」と琉生。

「あたしは今という価値を落とされたくない。
浜辺に積み上げてきた砂を何度となく波にさらわれても」


そう。

そして、夕星いちごが自信を持てないのはそこ。
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