再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「低学年の頃はずっと引きずってたわ。なにかあると真凜ちゃんがここにいればいいのにって言ってたの」


そうなんだ…そんなにあたしのことを気にかけてくれたんだ?


「そうなら…涼真くんと手紙交換とかすればよかった。あたし何の記憶もなくて…」


「真凜ちゃん、本当に何も覚えてないのね…」


おばちゃんが不安そうな顔でお母さんを見る。


「真凜…実はね…」


お母さんが何かを言おうとした時、やけに明るい音楽が鳴りはじめた。


電話?


おばちゃんがカバンからスマホを取り出し、誰かと話している。


おばちゃんはお母さんに耳打ちした後あたしに手を振り、昌磨くんを連れてすぐに家に戻ってしまった。


どうしたんだろう、あんなに慌てて…。


お母さんは深刻そうな顔をして、ソファに座り頭を抱え込んでしまった。


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