再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「俺はそうは思わなかったけど。真凜のこと好きだったしな」


あー、またそんなの期待する。


好きってどういう好き?


そんなこと、聞いてどうするのよ。


ほんとバカみたいに自問自答しちゃう。


「早く帰って。お風呂入るから」


背中を押すけど動く気配がない。


「待ってていい?」


なんでそーなるのよ!


「待たなくていいからっ。転校したてで疲れてるの!」


「の割には元気そうだな」


「そう見えるだけ」


本当はそんなに疲れてない。


今日は楽しい夜を過ごしたし、もっと話したいって思ってたのに会えばこんな感じ。


はぁ…やっぱりかわいげがないよ。


「じゃあ帰るかー」


「またね」


「起こしに来てくれんだよな?」


「わかってる…約束だからね」


「やった」


嬉しそうに言うなぁ。


こっちまで嬉しくなっちゃうよ。


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