再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「ここに住んでた時、あることがあって…近所の人とモメたのよ」


「あることって?」


なんのことかわからないけど…なぜか激しく胸がドキッとする。


「真凜がお友達とちょっと…ね」


衝突したってこと?


「あたし強かったみたいだし、キツく言いすぎて泣かせちゃった?」


するとお母さんは悲しそうな顔で俯く。


「そういうことじゃないの、ちょっとした手違いで…お友達を幼稚園に閉じ込めたまま帰ってしまって…」


環奈ちゃんのことだ!


「知ってる。その話、同級生から聞いたの」


「ええっ、そうなの?」


「うん…」


「したことは決して許されることではないんだけど、小さな子供のしたことだし…そう思ったの。だけど向こうの親は真凜のことを激しく非難するし、お母さんも怖くなってね…」


そんなことになったなんて…。


本当に全くなんの記憶もない。


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