再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「記憶が消えたのは引越しが理由なの?」


「多分ね…色々ストレスがかかってそうなったみたい。あんなに大好きだった涼真くんのことさえも…。何度か涼真くんのお母さんから連絡をもらったんだけど、また真凜が苦しむのが怖かった」


「あたしは大丈夫だよ?記憶なんてなくても幸せに暮らせたし」


あたしがしたことでお母さんをこんなに苦しめていたなんて知らなかった。


「ありがとう真凜…ずっと後悔してたの。お母さんが真凜の未来を奪ったのかもって」


「えええっ、大げさだよ!どうしてそうなるの?」


「だってねぇ、ううっ。本当なら涼真くんの彼女は…真凜っ、だったはずなのに…まさか、あの子なんて…」


環奈ちゃんのことを言ってる?


お母さんはさめざめと泣いているけど、あたしは気にしてないしそんなに落ち込まなくてもいいのに。


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