再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
あたしの言うことなら聞く?


なわけないでしょー。


けど起こすしかないよね?


ドアを開けると、まだカーテンが閉まっていて部屋の中は薄暗い。


カーテンを開けるところから始める?


「起きて~、朝だよ」


スタスタと部屋の中に入り、カーテンを全開にする。


眩しい朝の光が一気に差し込んだ。


「まぶしっ…」


布団を被り、起きることを拒否するかのようにあたしに背を向ける。


「背中、丸見えですよー!起きなさーい」


「もっと優しく起こしてくれよ…寝起きなのにひでぇ」


ひどいのはどっち?


あたしだって眠たいのを我慢して早起きして、涼真くんを起こしに来たんだよ?


そう言っても無駄だろうから、ここは行動に移してみようかな。


「おはよ。目、覚まして?」


寝ている涼真くんに背後から近づき、そっと手を添える。


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