再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「ズルいなぁ…」


「目ぇ覚めた。ちょっと待ってろな、すぐ用意するから」


そう言ってベッドから降りると、クローゼットから制服を取り出し目の前で着替え始めた。


「あたし外に出てるね!」


「俺は気にしないけど?」


あたしが気にする!


からかわれたのかな、笑ってるし。


もうっ…。


顔が熱い…。


手で頬を押さえつつ、急いで部屋を出た。


「お待たせ」


「ひゃあっ」


部屋の外で待っているあたしのもとへ突然現れたんだけど、とりあえず顔が近い!


「そんな驚く?」


この距離感に驚いてるんだってば。


離れなきゃ。


「下で待ってる!」


「俺も降りるからそんな急ぐなよ」


「いいから、離して」


腕を取られて、かあっと顔が熱くなる。


とっさにその手を振り払ったんだけど、階段のところでバランスを崩してしまった。


落ちるっ!!


< 168 / 348 >

この作品をシェア

pagetop