再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「きゃああぁーっ!」


ドタドタッ。


ギュッと目をつぶったと同時に、体に衝撃が走る。


だけどどこも痛くない。


あぁっ!


それもそのはず、あたしは涼真くんに抱きとめられていた。


しかも床が反転していてどうやら階段の途中まで真っ逆さまに落ちてしまったみたいだ。


「痛ってぇー…」


「涼真くんっ!?大丈夫?一緒に落ちてどうするのよっ」


「俺は平気、真凜は?」


かなり痛いはずなのにあたしの心配してくれるなんて…嬉しい。


「大丈夫…」


「よかった」


ぎゅうっと抱きしめられて、なんだか頭がぼうっとしてくる。


「やっ…ちょっと離して…」


「助けたご褒美。ちょっとぐらいいいだろ」


ちょっとぐらいって、何言ってるの?


そう思うのに動けない。


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