再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
本当に優しい人なんだ…。


これがあたしじゃなくても、きっとそう。


だから自惚れちゃダメ。


学校に着いた後も涼真くんは優しかった。


女の子に誘われても教室を離れないし、お昼ご飯も席で食べていた。


「無理しなくていいのに」


「別にそんなんじゃない」


しれっと言うけれど、それも優しさなのかな。


「ありがとう…」


小さな声で言ったからきっと聞こえてないよね?


転校したばかりで友達もいないし、涼真くんがいてくれるととっても心強い。


帰るときも一緒に帰ってくれるって言うけど、さすがにそれは断った。


ふらつくこともなく、一日一緒にいてくれたおかげで安心したの。


もう十分だよ…ありがとう。


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