再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「そうは見えないけど」


少なくとも出会ってからの涼真くんは、そんな感じじゃない。


弟想いだったり、冷たくしてるのにあたしにも優しいし…。


「あんなことがあっても…涼真のこと許せるんだな」


「あんなことって?」


「環奈の閉じ込め事件の後、色んなやつらから責められたろ。涼真は真凜ちゃんにいつも守ってもらってたのに、庇うことすらしなかった」


「そうなんだ…あたし、そのときの記憶が全然なくて…」


「真凜ちゃんはさ、毎日泣き腫らした目で登園して…よっぽど辛かったはずなのになんも言わなくて。見てて辛かったのを覚えてる」


そうなの?


本当に全然覚えてない…。


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