再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「あっれ、真凜?もしかして迎えに来てくれた?」


眠たそうだった涼真くんの顔がぱあっと明るくなる。


「ちっ、違うの!そこでおばさんにつかまって、涼真くんのこと頼まれて…」


「そんなこと言ってるけど、兄貴の寝込み襲う気満々だったらしー」


なにをっ?


涼真くんの弟があたしを見てニヤニヤしている。


「そんなんじゃないし」


「ムキになって怪しーな」


「はあ?」


「おいおい、昌磨。真凜をからかうなよ」


涼真くんに諭されて、昌磨くんは家の奥へと引っ込んでしまった。


「あいつ、クソガキだから。大目に見て」


「弟なんていた?全然覚えてない」


「ははっ。真凜、昌磨のこと嫌ってたからな!遊びの邪魔ばっかしてくるし」


そうだったんだ…本当に覚えてないよ。


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