再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「それより、すぐ準備するからそこで待ってろよ」


「別にあたしは一緒に行くつもりとかじゃなくて」


「どうせ次のバスだろ?一緒に行くしかないじゃん」


それはそうだね…。


最初は涼真くんと行くつもりだったのにね、なんで素直に言えないんだろう。


「待っててあげる」


「サンキュー。すぐ準備する」


玄関に小さなイスが置いてあって、とりあえずそこに腰掛けた。


することないし、スマホで暇つぶし。


すると、廊下の向こうからふたりのやり取りが聞こえてきた。


「兄貴、今日夕飯ないって。母さん食事して帰るって」


「マジかー。俺も外で食ってこよーかな、昌磨はどうする?」


「適当にやるから」


「冷凍庫になんかあるはず」


「あっそ」


涼真くん、お兄ちゃんだなぁ。


それにひきかえ、昌磨くんの素っ気ないあの態度。


なんとかならないの?


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