再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「やだっ」



「わかるけど…持ってないならいいだろ?」



「人に見せたくない物が入ってるの!」



顔を真っ赤にして拒絶している。



人に見せたくない物…まぁ、プライバシーの問題だよね。



「わかった。上から触るだけ…スマホじゃないなら清にそう言うから」



「涼真ぁ…嫌なの、お願い…」



環奈ちゃんは涼真くんにしがみつき、また泣き始めた。



「…なんか、柔らかい」



「え?涼真、足触ってんじゃねーよな…」



「ははっ、触ってねーし。ティッシュみたいな」



「他には?」



「反対側はなんもねぇな。やっぱ清の勘違い」



「マジか!くっそー、俺のスマホどこ行った」



「後で一緒に探す。とりあえず授業に戻れよな」



涼真くんは環奈ちゃんを保健室に連れて行くと言って行ってしまった。



清くんは完全に不貞腐れている。





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