再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「どうして…本当のことを言わなかったの?」



「言った方がよかった?」



「そうじゃない。やっぱり涼真は優しいね…ありがとう…」



「別に環奈を庇ったわけじゃないから」


「え…」



驚く環奈ちゃんに、涼真くんは背を向けた。



「呆れてる。ただ、それだけ」



「涼真…実はね、さっきの男の子の元カノに頼まれたの。人に見られたくない写真がスマホに入ってるから消して欲しいって。だから…」



「そうなんだな…で、その写真は?」



「スマホにロックがかかってて…教えてもらった番号では開かなかったの」



「そうか…」



涼真くんは淡々と話を聞いている。



私の隣で清くんは怒りに震えていた。



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