再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「真凜、あがれば?」


慣れない手つきで制服のネクタイを締めながら、涼真くんが声をかけてくる。


「ここでいい」


「あ、暇ならさこれやって」


涼真くんがあたしに近づき、ネクタイを指さす。


「自分でやれば?」


「苦手なんだって!今日、生活指導あるけど、ネクタイなしでいっちゃおーかなー」


…なんなの?


つけなきゃ罪悪感増すよね。


「あたしもうまくないよ…」


とりあえずネクタイを握り、なんとかやってみる。


ネクタイを締めていると、少しずつ顔が涼真くんの方へと近づく。


気がつけば、結構な距離まで接近していた。


「朝から贅沢だな、真凜のこと近くで見つめられる」


なっ…。


急に恥ずかしくなって、ネクタイを手から離した。


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