再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「涼真くんね…また浮気したの?だからって、ねぇ…」



先生はいつも相談を受けているような口ぶりをした後、困ったように私を見る。



「もういいわ…教室に戻って」



このまま帰るわけにはいかないよね。



「先生、事実と違います。ハサミを投げつけたのは環奈ちゃんの方です。突然暴れだして…」



「え?」



先生は驚いて環奈ちゃんの方を見るけれど、うずくまったままなにも答えない。



「環奈ちゃん、どうしてそんな嘘をつくの?」



聞いても、ふるふると首を横に振るだけ。



どうやって証明すればいい?



環奈ちゃんを見つめるしかなくて唇を噛み締めていると、先生が大きくため息をついた。



「あなたこそ嘘をつくのはやめなさい?」



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