再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
第5章

ふたりの秘密

「真凜ちゃん、これあげる」



「わぁ、いいの?ありがとう。涼真くん大好き」



摘み取ったばかりのシロツメクサを、涼真くんが手渡してくれる。



隣の家に住んでいる涼真くんは、すっごく優しくて、気も合うし私の一番のお友達。



泣き虫だし、テレビに出てくるヒーローみたいに強くない。



それでも…私には、王子様みたいにかっこよく見えるの。



イタズラをしてお母さんに怒られた時も、幼稚園のお友達とケンカをして拗ねていた時も、そっと側に寄り添っていてくれる。



ただ笑顔で、「元気がでるまで僕もここにいるよ」…って。



人の温もりって、不思議。



尖った心が丸くなっていく。



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