再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「私の折り紙!!」



「そうなの?環奈ちゃんがどうして持ってるの?」



「環奈のだもん!!うわああぁん」



折り紙は、環奈ちゃんの涙でぐしゃぐしゃになってしまった。



涼真くんは、僕が折ったやつかどうかはわかんないや…って、味方にも敵にもならない。



悔しいけど、何も証拠がないの。



結局それは、環奈ちゃんの折り紙ってことになり、私には先生が改めて折ってくれた。



私が欲しいのは…これじゃないのに。



帰りのバスまで教室の中で自由時間。



環奈ちゃんは女の子が固まっているテーブルの端っこでお絵描きをしていた。



「これと交換して」


先生のハートを突き出すけれど、お絵描きの手を止めることなく下を向いている。







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