再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「そか。俺は真凜のこと好きだけどな」


どっきん!


ストレートに言うよね…けど、この好きに深い意味はないはず。


きっと…。


「そんなこと言って、あたしの気を引きたいの?」


「ちょっとだけ」


ちょっとだけって!


やっぱりこれはからかわれてる。


「涼真くんは、彼女いるの?」


なんかやたらと緊張する。


別にいてもおかしくないし、あたしが緊張する必要なんてないのに。


「いない」


即答!


なんかテンション上がる。


って、あたしなにを期待してるんだろう。


「そろそろ次のバスの時間だな。行こうか」


時計を確認した涼真くんが、玄関の外へとあたしを促す。


「昌磨ーっ、鍵ちゃんとかけて出ろよ」


わっ、びっくりした。


いきなり大きな声で言うんだもん。


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