再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「そんなことないよ?」



「もう、好きだろ」



「…………」



頷いてしまえば、いい。



だけどなんだか怖い…。



また、記憶が消えるのかもとか…私だけ幸せになってもいいのかとか…。



色んな気持ちがごちゃごちゃになる。




「そんな不安な顔するなよ…」



私、そんな顔してた?



涼真くんのことが嫌いなわけじゃない。



好きなのに…。



「その素直じゃないところ、嫌いじゃない」



「え?」



「でもさ、なんでも顔に出るって知ってる」



「なっ…なにが?」



顔に出てる?



「気持ちだだ漏れ。抱きしめたら嬉しそうな顔するし、もう…わかってるから。意地悪してごめん」


涼真くんのことが好きってバレてたんだ…。



わかっててわざと、言えない私に好きって言わせようとしたんだ?

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