再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「やだー、ああいうの。魂胆みえみえ」



ユカちゃんがボソッと言う。



女の子たちは、教えて欲しいといより涼真くんを眺めていたいだけの様子。



涼真くんは淡々と説明すると、パタとテキストを閉じた。



「聞いてる?」



女の子たちは大慌て。



「説明わかりやすかったよ、ありがとう」



顔を真っ赤にして教室を出ていってしまった。



「先生、私にも教えて下さーい」



ふざけた調子でユカちゃんが涼真くんに歩み寄る。



「真凜ちゃんのどこが好き?」



ええええっ。



「ちょっと、ユカちゃん!!」



「いいじゃなーい。聞いておきたいの」



クラスメイトたちも興味津々でこちらに耳を傾けている。



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