再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
わかってる、わかってるのに…。


かあぁ…。


思いに反して顔が熱くなる。


「女の子に囲まれてたしっ…どうしてあたしに構うの?遊ぶ子なら他にいるよね」


「真凜がいい、ただそれだけ」


こんな…授業中に甘い視線を送られても困る。


嬉しくてニヤけそうになる。


ここまで言ってくれるなら…断る理由はないよね。


からかってるわけじゃないのかも。


本当にあたしのことが好きで、こう言ってくれるなら応えてもいいよね。


あたしも…。


顔を涼真くんの方に向けると、机の下でスマホを触ってる。


『今日一緒に帰れる?』


『ムリ』


『話がしたいの…最近あたしのことずっと避けてるよね?』


前後の文章を見ると、どうも相手は女の子みたいだ。


来るもの拒まずっぽい涼真くんが避ける相手って誰なの?


相手の名前は、“おぐ”。


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