再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「想像以上」


え…なにが?


男の子がボソッと呟いたけど、語尾をよく聞き取れなかった。


「真凜っ、とびっきりかわいい笑顔を見せて!」


お母さん、またわけのわからないことを。


言われてできるわけがない!


そしていつも反抗的なあたしが真逆の行動をするって、知ってるはずなのに。


「なんなの?お母さんうるさい…」


「もうやだ、この子ったらー。いつもはもっと素直なのに」


ウソつき。


なに媚びうってるんだろう。


「本当に真凜なんだな…信じらんねー」


見ず知らずの男の子が、あたしの名前を口にするのが本当に不思議で仕方がない。


一体、誰なの…?


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