再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
音にビックリした生徒達が一斉にこっちを見る。


もうっ…転校早々注目浴びてばっかり。


倒れた机を涼真くんがなおしてくれた。


「ありがと…」


「どういたしまして」


机を倒したことに驚くでも非難するでもなく、にこやかに笑っている。


授業が終わったタイミングで涼真くんが立ち上がり、廊下の外へとあたしを促す。


「あっちで待ち合わせしてるから来て」


廊下の向こうを指さすから渋々ついていくと、階段の近くに女の子が立っていた。


あれ…あの子は。


涼真くんに気付いた様子で満面の笑みになる。


「本当に来てくれた!よかったぁ」


駆け寄り涼真くんの手を取ったのは、環奈ちゃんだ。


避けてる相手って…環奈ちゃんだったんだ。


「触んなよ」


笑ってるけど明らかに拒絶反応を示すかのように手を振り払っている。


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