再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「逃げられたら困るもん。やっとゆっくり話せる」


それでも嬉しそうな環奈ちゃんは、とってもかわいらしい。


「手短に話すな。新しい彼女」


そうして、あたしを見る。


えっ…ええっ!


「ちょっと!なに言って…」


「つーこと。環奈ともう話すことないから」


「あたしと涼真くん付き合ってないよ!?いい加減なこと言わないで」


涼真くんにそう言うけど、取り合ってくれない。


「そのうち付き合うんだからいーだろ」


そのうちって!


「あのね、環奈ちゃん。涼真くんが勝手に言ってるだけだから。あたしは別に…」


弁解しても、環奈ちゃんは今にも泣きそうな顔をしている。


「涼真…」


「ごめん」


環奈ちゃんに背を向け、話し合いすらできない状態。


しばらく耐えていたけど、環奈ちゃんはポロポロと涙を零し始めた。


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