再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「ひどいよ…どうして?」


「真凜、行こう」


環奈ちゃんの問いに答えることなく、涼真くんがあたしの腕を引っ張る。


「環奈ちゃんがかわいそうだよ、ちゃんと話し合えば?」


「俺らもう終わってる。何度やっても同じだろ」


振り向くことなく、涼真くんは教室の方へ戻ってしまった。


シクシクと泣いている環奈ちゃんの肩に手を乗せる。


「なんてやつ!安心して、あたしたち付き合ってないから。それにこれからもそんな予定ないし」


「ほんとに…?」


やっと環奈ちゃんが顔を上げてくれた。


「そうだよ、一方的に言われただけ」


「そうなんだ…」


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