おやすみはまだ言わないで
すごく長い夜だった。
私はあなたを見つめ、あなたはただ息をしていた。
いつものように寝てるあなたが、
息をするたび上下する胸が、
こんなに私を苦しめるなんて思いもしなかった。
『いつも通り』
いつも通り私を笑わせて。
いつも通りに私に抱きついて。
酔った顔で私にキスをして。
ぶっきらぼうで、ふざけてばかりで、
でも私を一番受け入れようとしてくれる優しいあなた。
その腕が私を抱きしめるなら、もうそれ以上は望まない。
もし起き上がってくれるなら、私はなんでもする。
あなたと描いた未来が、夢が、愛が、
こんなにも私を強くさせたのに。
私をいつでも守るってそう言ったのに。
私が今一番欲しいのはあなたなのに。
< 1 / 5 >