君が幸せなら、それでいい。
「それで、肝試しについてだけど。」

「今週の土曜日だよな?」

「みんな予定は大丈夫?」

「私と涼花は大丈夫!」

「俺ももちろん空いてるぜ!」

僕達4人は僕の席を囲むように座っている。
今は昼休みなわけだが、教室にも残っている人たちでざわざわと賑わっている。
こうやって男女で話していると、ふと中学生の頃を思い出す。
小学生の頃は男女なんて関係なく遊んでいたのに、中学に入った途端に距離があく。
誰かが言い出したわけでもないのにその距離が縮まることは無い。
たまにそんなこと気にしない奴らもいたけど、やっぱりどこかで噂され、その噂が広がっていく。
その距離が高校生になるとまた消える。
別に気にすることではないのに、僕はこの感覚が何故か好きだった。
消えた関係が戻る、というか、無かったものにされたままじゃどこか嫌だ。
そんな不思議な感覚。

僕はなんだか心地よくなってクスリと笑った。
それに気づいたみんなは僕のことを茶化してくる。
優がふざけてるぞ、なんて声が聞こえてきて僕はもっと笑ってしまった。
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