君が幸せなら、それでいい。
色々なアトラクションを満喫した所で、スマホに目をやった。
時間は1時半を指している。

「凛。そろそろお昼にしない?」

「そうだね!お腹すいちゃった!」

その言葉と共に凛のお腹は大きく音を鳴らす。

「凛ってば、ほんと分かりやすいね。」

「もう、優ちゃんってばまたバカにしてる!これは生理現象です~」

そう言って凛は口を膨らます。

昼食をとるために僕達は近くのハンバーガーのお店に入った。

「凛はお弁当とか作らないの?」

「そりゃあ作る時は作るよ!でも今日は急遽決まった遊びだし!」

「そっか。」

「もしかして優ちゃん、私の手作り食べたかった~?」

「そ、そんなことないよ!」

僕は顔を横に背けた。
自分でも分かるくらい頬が熱い。
付き合ってる訳でもないのにお弁当なんて何を言ってるんだか。

「もう、正直じゃないんだから!」

凛はポテトにケチャップをつけると口の中に次々と放り込んでいった。
ふと、最近気になっていたことを思い出す。

「凛、最近何かあった?」

「え?なんで?」

ハッとしたような目をした凜。僕はそれを見逃さなかった。

「なんか最近おかしいなって。あんまり体調も良くなさそうだし。悩みがあるなら聞くよ?」

「そ、そんなことないよ!それに体調が悪かったのは季節の変わり目で風邪ひいてただけ!最近暑くて布団蹴っちゃっててさ~」

僕はその言葉が何かを隠しているようにしか見えなかった。でも頑固な凛のことだ。1度言わないと決めたら暫くは教えてくれないだろう。
仕方ない。また今度詳しく聞くことにしよう。

「凛は鈍臭いから気をつけなきゃだね。」

「もう!うるさーい!」

僕がからかうといつもの凛に戻る。凛にとってもきっと触れられたくない話なのだろう。
それからはたわいのない話をしていた。
凛から聞けたのは主に瀬谷さんの話だけだったが。瀬谷さんとの話をしている時の凛はすごく楽しそうだった。
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