君が幸せなら、それでいい。
校舎に入るとすぐに後ろから声がした。
僕は靴を脱ぎながら声の方を見渡す。
そこには凛の友達の瀬谷さんがいた。

「おはよう!凛!立花くん!」

「おはよう!涼花!」

「おはよう、瀬谷さん。」

瀬谷さんはいつもポニーテールに体操服の格好をしていて、誰が見てもスポーツマンだ。
いや、女子はスポーツマンとは言わず、スポーツウーマンとでも言うのだろうか。
とりあえず、僕は彼女をスポーツ少女と頭で名付けた。
とにかく、それほどまでにスポーツという言葉がすごく良く似合う女の子だ。

だからかも知れないが、僕は瀬谷さんとはあまり親しくつるむことが出来ていない。
僕自身あまり運動を好んでするほうではないし、元気な女の子は凛だけで充分だと思ってしまう。
それを凛も察しているのか、瀬谷さんと僕の関係をあまり深く追求してくることは無かった。

「ほら、遙ちゃん、涼花!教室行こっ!」

凛の声に僕は頷いて返す。
瀬谷さんもおう、という返事を返すと、教室へと歩き出した。
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