自称プレイボーイと絡まる私



「ほっぺ痛そうだね。」


「うん、痛い。へへ」


へらりと笑う海野君は、自分がしていることに対して罪の意識なんかないんだろう。

だからビンタされようが泣かれようが、へらへらと笑っていられるのだ。
特別男らしくもない。
特別背が高いわけでもない。
芸能人のように顔が整っているわけでもない。

なのに海野君はモテる。


「なんで海野君てそんなに女の子にモテるの?」

「わかんない。俺もそれ不思議なんだあ」

「なんで海野君て、ひとりの女の子に絞らないの?」

「わかんない。みんな可愛いよね」


そう言ってまたへへ、と笑う。

こういう奴のことを世間ではクズと呼ぶのだろう。


海野君は、絵に描いたようなクズ男なのだ。



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