諸々ファンタジー5作品
『エピローグ:荒廃』
知識の詰まった小さな町。
増え続ける家族に、自らの町の存続を危ぶむ旅。均衡を崩した知識の崩壊。
「知識は、身を護る為にある!」
数が増え、知識に溺れた若い集団。
手に入れたのは、大国の小さき者。年長の者たちが、ソレを見て語る。
「知恵の欠けた行動が、滅びを導いた。これが運命なのだろうか。」
滅びを覚悟した町。
大国の怒りの激しさに現状を知り、自らの知識を超えた力に恐れを抱く。
知識と共に生きてきたが、滅びを導いたのも知識。願ったのは、ほんの小さな幸せが続くこと。
町は共に滅ぶことを望み、自ら刈り取る罪に、理不尽な復讐を宿す。
巻き込まれたのは……大国だった…………
『エピローグ:タイドフの王ブリジーノ』
奪われたものを取り戻すのに必死だった。
ほんの小さな少年。その小さき者が、この大国を滅ぼすのなら……それも、運命なのかもしれない。
せめて、この命の灯が尽きる前に。もう一度だけ、一目でもいい。
「ロスト、最後の者よ。この滅びの対象となった国は、お前のもの。ふっ。目元が、妃にそっくり……だ。」
真実を知った息子……声を失っていたと聞いたが、これが声を再び奪うだろうか?
それでも、彼の願った命の灯、舞姫が癒すだろう。
妃に似た舞姫との時間を過ごせたのも、贅沢な事だ。幼き頃の思い出を語る舞姫の愛情は、小さな国に忠誠を誓ったロストの愛情に応えて、大国の夢となった。
大国の王子が行く末も分からない、この国を滅ぼすのだろうか。
国民は、それまでの時間の限り……共に過ごす家族との幸せを願った。抗って戦いを挑み、その真価を試す我らは答えを得た。
その望みに、最後の者は応えてくれるだろうか。それは、きっと…………
『エピローグ:小さき者』
大国を目前に、あふれた涙。こみ上げる悲しみの理由を、理解した時には、すでに遅かった。
城に入るのに、武器を奪うことのない兵士たち。王を殺した小さき者に、反応を予期していた国民の嘆き。
王の望んだ結末……大国の家族を奪った小さき者への憎しみもなく。
俺の国、俺の治めるはずだった大国……
本来、護るべきものを、滅びへと導いた存在。
小さき者に、課せられた運命の歯車。重く圧し掛かる命の灯の多さ。
覚悟していた二十を満たない戦人。
大国に勝てないのを承知で挑んだカイディールの思惑。その犠牲になった小さな国ミャーダ。
そして、俺に復讐を望んで消えた町の人々……敵だと思った大国…………
「ロスト、私を見て。
私は、あなたが救った命の灯。
あなたを信じて待った。あなたへの想いを、知って欲しい。
これからも、私の為に生きて。願うのは小さな幸せ。
ロスト、今は……それだけを願って欲しい。」
ブレシニーの唇が自分の口に重なり、初めて触れる柔らかさを受け入れる。
久しく触れていない手が俺を胸に抱き寄せ、優しく包む……小さな幸せ…………
『エピローグ:愛玩の舞姫』
あなたを苦しめる真実。それを癒すのは、大切に守られてきた舞姫。
あなたの願った命の灯。すべてを知って、あなたを信じて待ち、あなたの運命に舞った女性。
…………その後、二人がどうなったのか……ワタシは知らない。
……ワタシは愛玩の舞姫……
物語を綴る。
すべて、彼から聞いた中世史。
ワタシに愛情を抱いた、セイラッドからの情報をもとに。
ワタシは、カイディールが願った命の灯……ミラニー…………
end
知識の詰まった小さな町。
増え続ける家族に、自らの町の存続を危ぶむ旅。均衡を崩した知識の崩壊。
「知識は、身を護る為にある!」
数が増え、知識に溺れた若い集団。
手に入れたのは、大国の小さき者。年長の者たちが、ソレを見て語る。
「知恵の欠けた行動が、滅びを導いた。これが運命なのだろうか。」
滅びを覚悟した町。
大国の怒りの激しさに現状を知り、自らの知識を超えた力に恐れを抱く。
知識と共に生きてきたが、滅びを導いたのも知識。願ったのは、ほんの小さな幸せが続くこと。
町は共に滅ぶことを望み、自ら刈り取る罪に、理不尽な復讐を宿す。
巻き込まれたのは……大国だった…………
『エピローグ:タイドフの王ブリジーノ』
奪われたものを取り戻すのに必死だった。
ほんの小さな少年。その小さき者が、この大国を滅ぼすのなら……それも、運命なのかもしれない。
せめて、この命の灯が尽きる前に。もう一度だけ、一目でもいい。
「ロスト、最後の者よ。この滅びの対象となった国は、お前のもの。ふっ。目元が、妃にそっくり……だ。」
真実を知った息子……声を失っていたと聞いたが、これが声を再び奪うだろうか?
それでも、彼の願った命の灯、舞姫が癒すだろう。
妃に似た舞姫との時間を過ごせたのも、贅沢な事だ。幼き頃の思い出を語る舞姫の愛情は、小さな国に忠誠を誓ったロストの愛情に応えて、大国の夢となった。
大国の王子が行く末も分からない、この国を滅ぼすのだろうか。
国民は、それまでの時間の限り……共に過ごす家族との幸せを願った。抗って戦いを挑み、その真価を試す我らは答えを得た。
その望みに、最後の者は応えてくれるだろうか。それは、きっと…………
『エピローグ:小さき者』
大国を目前に、あふれた涙。こみ上げる悲しみの理由を、理解した時には、すでに遅かった。
城に入るのに、武器を奪うことのない兵士たち。王を殺した小さき者に、反応を予期していた国民の嘆き。
王の望んだ結末……大国の家族を奪った小さき者への憎しみもなく。
俺の国、俺の治めるはずだった大国……
本来、護るべきものを、滅びへと導いた存在。
小さき者に、課せられた運命の歯車。重く圧し掛かる命の灯の多さ。
覚悟していた二十を満たない戦人。
大国に勝てないのを承知で挑んだカイディールの思惑。その犠牲になった小さな国ミャーダ。
そして、俺に復讐を望んで消えた町の人々……敵だと思った大国…………
「ロスト、私を見て。
私は、あなたが救った命の灯。
あなたを信じて待った。あなたへの想いを、知って欲しい。
これからも、私の為に生きて。願うのは小さな幸せ。
ロスト、今は……それだけを願って欲しい。」
ブレシニーの唇が自分の口に重なり、初めて触れる柔らかさを受け入れる。
久しく触れていない手が俺を胸に抱き寄せ、優しく包む……小さな幸せ…………
『エピローグ:愛玩の舞姫』
あなたを苦しめる真実。それを癒すのは、大切に守られてきた舞姫。
あなたの願った命の灯。すべてを知って、あなたを信じて待ち、あなたの運命に舞った女性。
…………その後、二人がどうなったのか……ワタシは知らない。
……ワタシは愛玩の舞姫……
物語を綴る。
すべて、彼から聞いた中世史。
ワタシに愛情を抱いた、セイラッドからの情報をもとに。
ワタシは、カイディールが願った命の灯……ミラニー…………
end