カスオくん
やがて全てを堪能し尽したのか魔物は元の人間(どっちが本当の姿か良く分からない)
の姿に戻り、落ち着きを取り戻すとその場に正座をし、パンティを綺麗に細かく畳む几帳面な一面をのぞかせていた。
永島は綺麗に畳まれたそのモノに敬意をはらうと胸のポケットに仕舞い込み

「これで君と僕はいつも一緒さ」と胸をさすっていた。

「勝手に仲良くやってくれ」と思いながらも胸に仕舞われた母さんの分身が
可哀相だった。

九死に一生を得た安堵感から大きなため息を付き、重い身体を立ち上げると僕のパンツは濡れていた。ズボンの裾から滴り落ちるしずくを見てオシッコを漏らしていた事にはじめて気付いた。
物心がついて、しかも寝ている間ではなく起きている間にパンツの中にオシッコをする。
そんな誰にも言えない貴重な体験のおかげで僕の身長と寿命は確実に縮まった事だろう。
しかしやっと終わった。
今回のミッションは精神的にも疲れた、もうこんな思いはしたくない、これでヤツのアレも飲まなくてすんだ。

帰ったら命の恩人の母さんの肩でも揉んでおこう。

だが安心したのも束の間だった。
何気なく見上げた御主人様の眼差しは何をやらかすか分からないあの優しい目になっていた。

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