カスオくん
やがて踊り疲れたのか御主人様は遠くを見つめたまま静かに
「オレのうんこ食うか? 濃縮ウラン入りだぞぉ~」と優しい眼差しのまま呟いた。

すると悲しいかなこの身体は間髪入れず
「お安い御用だよ、僕に任せてよ、何でもするよ」と慢心の笑顔で永島の手を握り頬ずりまでしていた。
「なんなら母さんのも覗いていくかい?」と思わず口に出してしまいそうになり、危うく墓穴を掘ってしまうところだった。
当分の間、母さんって言葉は禁句だ。
妖怪ワイセツマンはまだ見ぬ入浴シーンに鼻の穴と瞳孔を開かせながら、両手を羽ばたかせ「行ってみたいな他所の国~♪」などと歌いながら去っていった。

又してもとんでもない事を引き受けてしまった。
僕の方が他所の国に逃げたいくらいだった。
< 24 / 37 >

この作品をシェア

pagetop